「バリアフリーのファッション」
講師:同志社女子大学 生活科学部 猿田 佳那子様

  共同作業所と連携して、障害者のための服のリフォーム活動をされている実績から、バリアフリーファッションを教材として学校で取り組める 授業についてお話いただきました。

 学校指導要領の改訂に伴い、学校現場で「家庭科」の時間が大幅に減少していることをご存知でしょうか。猿田先生のご講演のなかには、 私達大人が考えなければいけない重要な視点がいくつもありました。中学校3年では、105時間あったのが35時間。ほとんどの生徒は、自分達の基本的な生活を支えている技術を体験することなく学校生活を終えることになり、実社会でも、物づくりは中国など労務費の安い国に移動し、大人達でさえも、買った方が安いものをわざわざ作ることがなくなっています。ものをつくる技術の喪失だけでなく、「こういう物があったらよいのに」とさえ、思わなくなる社会が来ている、と猿田先生は、警告されていました。

 また、学校で取組める創作活動として、100円ショップでも買えるものを、半年かけて学校でつくるよりも、店に売っていなくて、少し工夫するだけで、体の不自由な方が気軽に出かけることを可能にする衣類などを考案・製作して寄贈する学習活動についてご提案いただきました。


「女性の美とともに:その歴史とたゆまぬ努力」
講師:株式会社ワコール 法務部知的財産担当顧問 白岩 則信様
お客様センター 福原 佐紀子様

 白岩様より、京都を代表する企業であるワコールが時代によって変化する女性のニーズに あわせて、どのように商品研究、開発、生産を行っているのか、1946年からの歴史を紐解きご紹介いただきました。研究開発部の社員は6:4で女性・男性の比率だ そうですが、男性も時には、実際に女性者の下着を着けて体験するとのこと。女性を美しく見せるために、男性の汗も混ざっています。また、他社による模倣商品に どのように対処しておられるのかを、お話いただきました。

 新しい素材の開発や素材の使い方を 工夫することにより、その時代の女性が求めるものを先取りして下着を作ってこられたことがとてもよくわかりました。

  また、ワコールでは、小学校高学年から中学生の女子生徒と保護者を対象に下着のつけ方などを紹介する社会貢献事業「Tsubomi School」を実施されており、 その活動について福原様よりご紹介いただきました。希望される学校があれば、女生徒のみの対象となりますが、ワコールから無料で派遣講師が来てくださる とのことです。ぜひ、皆さん、活用してください。

 ご講演の後は、軽食を囲んでネットワーキングを行いました。参加された企業の方や学校の先生がたの自己紹介であっと言う間に時間が過ぎました。 当日は茨城や名古屋などの遠方からの参加者もおられ、企業が無料配布されているメディアリテラシーについての教材の紹介や、企業の方が学校に講師として来てくださるような お約束ができるなど、活発な交流が行われました。