仮想企業経営プログラム「バーチャル・カンパニー」


産経新聞 朝刊 2002年(平成14年)11月14日

ネット上で仮想商品販売
小中高生ら創造性、起業家精神養う



 インターネット上の仮想空間で、小中高生や大学、専門学校生がオリジナル商品を販売する「バーチャル・カンパニー・トレード・フェア」(京都市など主催)がこのほど、ベンチャー支援機関の京都リサーチパーク(京都市下京区)で開かれた。

 子供たちの創造性を高めて起業家精神を養う教育は、日本経済の将来を占ううえで重要な役割を果たしそうだ。

 フェアにはベンチャー教育を導入している京都市福西小学校や堺市の私立初芝中学の児童、生徒らがブース(小間)に分かれて出展した。仮想商品の”アレルギー探知機”を開発した福西小5年の長谷川嵩明君らは「アレルギー体質の人や病院が売り込み先(ターゲット)に適している」と、商品説明(プレゼンテーション)の場でもすらすらと商品のセールスポイントをPR。同小でベンチャー教育を指導する中村泰子教諭は「受身の教育ではなく、児童たちが自主的に工夫したり、伝達する力がつく」とその効果を話していた。

 こうした起業家教育は、経済産業省の旗振りで最近、徐々に普及してきた。その背景にあるのが「国際競争力の国別調査のアントレプレナーシップ(起業家精神)の項目で、日本は49カ国の中で最下位だった」(経産省)という危機感。実際、平成8-11年の起業の開業率は3.4%と廃業率(5.7%)を2.3ポイント下回っており、このままでは企業数は減少の一途をたどることになる。

 起業家精神を養い、創業者を敬う風土をつくるには、教育界の協力は不可欠。
 
 とくに有力企業が本社を東京に移転するなど産業の空洞化が目立つ関西では、経済界にベンチャー教育を支援する声が強まっている=下表。それだけに今回のフェアのような創造性を引き出す教育の活性化が期待されている。

ベンチャー教育に対する経済人の意見
●寺田千代乃・関西経済同友会代表幹事(アートコーポレーション社長)
「いいアイデアを持つ若い人も多いが、それを事業化することを称賛するような教育が必要だ。子供たちにも夢を持ってほしい」

●井上礼之・関西経済連合会副会長(ダイキン工業会長)
「大学や企業に入ってからベンチャー精神を養うのでは遅すぎる。頭が柔軟な小中高生から起業家教育をするのは意義がある」

●小池俊二・大阪商工会議所副会長(サンリット産業社長)
「挑戦してやろうというマインドを持った人が少なく、日本経済は閉塞状態。ベンチャーの神髄である"心意気"を中等教育からとり入れるのは重要だ」