仮想企業経営プログラム「バーチャル・カンパニー」使用


朝日新聞 朝刊 2001年(平成13年)10月2日

仮想起業で本物の絵本 「経営もっと身近に」
西京商業高校


 中京区の西京商業高校の生徒たちが、インターネット上に仮想のベンチャー企業をつくり、製品の絵本を作る作業の取り組んでいる。作品は、消費者役の地元の小学校や幼稚園にクーポン券で「購入」してもらう予定で、一連の作業で起業や経営について学ぶ。生徒たちは「形ある商品を顔の見える相手に発信できるので、やりがいがある」と張り切っている。

 同校では99年度から、ネット上の仮想企業経営を授業に取り入れている。京セラや大阪ガスからアドバイスを受け、携帯電話などのダミーの製品をホームページで公開、授業提携をする高校との間で擬似的に電子商取引体験をする実験を進めてきた。

 今年度は、ダミー商品だけでなく「本物」の商品を作り、客に届けることで、企業経営をもっと身近に感じてもらおうと前川幸士教諭(36)らが企画した。

 4月に情報処理科の3年生約80人が16のグループに分かれ、仮想出版社を設立。「PHPエディターズグループ京都本部」(南区)の編集者から、企画や販売戦略のノウハウを学んだ。9月からは、各グループで絵本の試作品づくりを始めた。電子メールで配信するなどできるようにパソコンで制作している。「飛び出す絵本」や童話、教科書とジャンルも様々だ。

 絵本を売り込む先は地元の小学校や幼稚園。完成後はクーポン券を配って、子どもたちに購入してもらう予定だ。

 菊岡こころさん(18)らのグループは「夢のある話を小さな子どもたちに読んでもらいたい。」と流れ星の誕生にまつわる童話を書いている。材料費や人件費から定価を算出したり、PR用のHP作成などにも精を出したりしている。

 アドバイザーを務めるPHP社の兼松悟さん(44)は「子どもの視点に立てる若者の感性がいい。コストや市場面も意識して企業家精神を養ってほしい」と話している。