仮想企業経営プログラム「バーチャル・カンパニー」使用


朝日新聞 朝刊 2001年(平成13年)2月2日

生徒は「起業家」 ネット上で仮想企業立ち上げ
経営ノウハウ学ぶ 「商品開発」しHPでPR 西京商業高校



 インターネットに「バーチャル・カンパニー(仮想企業)」を立ち上げ、企業間取引や会計処理などを体験―。そんな授業に中京区の市立西京商業高校が取り組んでいる。独自の商品を開発し、宣伝・販売なども幅広く手掛けている生徒たちは10代で早くも「起業家」。「社会に出た時、きっと役立つと思う」と満足そうだ。同校は「生徒に自分の力で考えてもらうことができた。これからも続けたい」と成果に期待している。

 バーチャル・カンパニーは、ネット上にホームページ(HP)を開き、電子商取引の機能を利用してさまざまな体験をする仕組み。事業計画をまとめ、商品開発や販売促進などをこなしながら企業経営のノウハウ学ぶ。

 世界中で30カ国、3,000校が参加している。国内では京都の起業支援機関3社が設立した「起業家教育センター」(事務局・下京区)が推進役。西京商高のほかには、大江高(大江町)、呉港高(広島県呉市)、追手門学院大学(大阪府茨木市)が導入している。来年度はさらに十数校の高校、大学などに参加が広がる見通しだ。

 西京商高はパソコン約200台を配備し、構内に回線を張り巡らせている。今年度は情報処理科の3年生80人が週3時間、「バーチャル」に参加。商業科の教諭四人と実習助手らが教えている。

一学期はHPや取引文書の作り方を修得し、地元商店街に実在する20店のHPを作った。二学期からは3〜5人が一グループとなり20社を「創業」。発注や会計などの役割を分担しながら、自分たちで考察した「商品」をHPに掲載した。

 高田真理さん(18)ら3人は「フラワーファーム」を設立社名は高田さんの好きなブランド名からつけたという。「地球にやさしく人にやさしい」がモットー。手話通訳をしてくれる人形や泡立て機能のある「ブクブクシャンプー」など4品を取り扱う。

 「社長」の高田さんは「商品を開発するのは想像以上に難しかった。でも、この経験は社会に出たときにきっと役立つと思う」と話す。

 尾賀聡一郎教諭(38)は「マニュアル通りにやるだけの授業に比べて生徒が自分で考えて取り組める。熱心な生徒が多かったと思う。これからも改善しながら続けていきたい」と話している。西京商高は2003年度の校舎建て替えに合わせ、「起業家教育」を掲げた2学科を新設する予定だ。