仮想企業経営プログラム「バーチャル・カンパニー」使用


両丹日日新聞 2000年(平成12年)6月14日

社員は全員高校生
大江高 珍しいビジネス教育
インターネット上に9月仮想会社を設立、運営 実践を将来の力に


 会社の従業員は全員高校生―。大江町金屋の大江高校(塩見裕校長)は9月から、全国的にも珍しいバーチャル・カンパニー(仮想企業)によるビジネス教育に取り組む。インターネット上に仮想会社を設立、商品を開発するなどして海外の仮想会社との間で商取引を行い、自分たちの手で運営する。同校では「より実践的なビジネストレーニングができ、会社経営のノウハウが身につき将来、生徒の大きな力になる」と期待している。

 対象はソフト経済科情報処理コース3年生の28人。仮想会社を運営していくことで事業を起こす際の参考になり、さらに経理や販売を担当することで職場体験ができ、職業を選ぶときのヒントになる―として、このビジネス教育を取り入れた。

 設立する会社は、インナーウェア(室内着)の商品を提供する会社と、府北部を中心とした特産物を販売する2社を予定。両者とも生徒が社長、経理、会計、人事、販売などを分担。資本金は1,000万円とする。それぞれグンゼ宮津工場、大江町商工会が支援企業となり職員らが企画、販売などのアドバイスをする。

 バーチャル・カンパニーが一般企業と違う点は会社、資本金、商品が架空だということ。そのほかは一般企業と同じ業務をこなす。生徒たちは「商品はいくらで売ればもうかるか」など、市場戦略や事業計画を細かく考える必要があり、”経営が波に乗る”か”倒産する”かは生徒たちの腕次第。

 この取り組みにあたっては、起業家教育を推進するために昨年設立された起業家教育センター(京都市下京区)が行っている学習プログラム「バーチャル・カンパニー」に登録。参加校は世界で約30カ国、3,000社あり、学生たちが運営している。

 日本では同校のほか追手門学院大学(大阪府茨木市)、京都市立西京商業高校、呉港高校(広島県呉市)の3校が参加しているだけという。

 生徒たちは現在、バーチャル・カンパニーとは何か▽商取引の仕組み▽経営情報▽ホームページの作成方法▽海外と取引するため必要なビジネス英語のレッスンなど、会社設立に向け勉強に励んでいる。

 設立は9月上旬で、自社企業や商品をPRするためのホームページを10月下旬から11月初旬をめどに立ち上げる。架空の口座を設け、他のバーチャル・カンパニーを設立している海外の学校のホームページを閲覧して商取引をする。
 大江富士雄・ソフト経済科学科部長は「例えば特産物の商品開発なら、海外の学生に受け入れられるようなものを考える必要がある。何も無いところからアイデアを出すのは難しいが、いい勉強になる。これまで学習してきたことを生かし、会社経営をしてほしい。経理や会計などの役割を経験することで、将来就きたい仕事が分ってくるのでは」と話している。