E「ベンチャーにどう振り向かせるか」教諭ら討論

 初芝中学で始まったベンチャー授業を指導する教員らが、生徒たちの反応や今後の授業の進め方などについて議論した。

 中村泰教諭(体育)  「自由に考えさせると生徒たちの発想は非常に柔軟だ。まずはベンチャーに関心を持たせることが先決で、生徒には授業の中で面白かったり、楽しかったことを覚えておけ、と指導した」

 白川美希教諭(数学) 「たった一枚のペーパーで課題を与えただけなのに、短時間に具体的なアイデアが次々に飛び出した」

 河野美香教諭(英語) 「商品PRを考えさせるグループ学習で、あるチームは『なぜ焼くに立つのか』と利用者の側に立った発想をしていた」

 中村教諭  「私は生徒指導も担当しているが、ベンチャー授業を通じて大人の世界にも目を向けさせ、定職に就かないフリーターの若者が好ましくないことも教えたい」

 白川教諭  「ベンチャー授業には正解はなく、試行錯誤の連続だが、考えた結果を発表することで生徒にはある種の達成感がえら得れると思う。そのことが自信につながり、社会に出したときに役立つのではないか」

 河野教諭  「グループ学習では、商品PRのためのポスターを作成するチームもあり、その積極性に驚いた。半面、感心の薄い生徒もおり、彼らを(ベンチャーに)どう振り向かせるか工夫したい。


Fプレゼンテーション巡りディスカッション

 生徒が担任の先生を商品に見立て、農家や百貨店に売り込むための擬似プレゼンテーション(商品説明会)を実施した初芝中学で今月9日、生徒らがプレゼンテーションのやり方を振り返り、検証する授業が行われた。

 2年の学級では5人ずつのグループに分かれ、河野美香教諭が「プレゼンテーションでうまくいかなかった点、こうすればよかったということを、自由に議論しなさい」と指示した。

 生徒は「他人任せにしてはいけなかった」「はっきりと意見をいうべきだった」「相手に興味を持たせるように話すことが必要だと思った」「先生の得意なことをもっとアピールすればよかった」などと反省点を出し合った。

 これに対し、河野教諭は「相手に商品内容がひとことで分かる『キャッチフレーズ』もプレゼンテーションの有効な手段」と説明。「たとえば、“カッパえびせん”のキャッチフレーズは?」と問いかけると、生徒らは「やめられない、止まらない」と答えて、納得していた。

 また、ポスターの効用についても、「分かりやすく目に訴えることで、相手の印象に残る」と活用を勧めたほか、「1週間貸し出します“無料お試しセット”も商品のことをよく理解してもらえる」などと指導した。
 
 次回は、こうした検証に基づき、別の教員を“商品”として、売り込み先も自ら決め、再度プレゼンテーションに挑戦してもらうという。


G趣向凝らした2度めのプレゼン

 初芝中学の生徒達が今月16日、担任の先生らを「商品」として、さまざまな業種に売り込む2回目のプレゼンテーション(商品発表会)に挑戦した。

 1年のチームは、交通業界に中村泰教諭(体育)を商品に見立て、「本日誤報しする品物は世界中の社長さんがのどから手が出るほどほしがる“パーフェクト中ちゃん”。「お値段は・・・」などと、ユニークなPRで売り込んだ。

 また、農家に売り込んだ生徒たちも「見てください、この腕。力仕事はOKです。筋肉はもりもりで1日中働かせても大丈夫。間違いなく役に立ちます」とアピールした。

 一方、川本秀樹教諭(社会)をボディガードとして売り込んだ2年のクラスでは、生徒たちが「体がでかくこわいからボディガードには最適」とPRした後、川本教諭に「エイッ」とダンボール箱を打ち破るパフォーマンスを実演してもらい、教室をわかせた。

 また別のチームは、「絶対に買ってね」という口上を述べた後、2つ折りの紙を開くと、川本教諭を描いた人形が飛び出す仕掛けを拾うし、他の生徒たちの笑いを誘った。

 1、2年とも初回に比べると、様々なアイデアをこらし格段に上達した様子だった。


H批評の火花 プレゼン技術磨く

先生を「商品」にみたて、2度目のプレゼンテーション(商品発表会)に挑んだ初芝中学の生徒たちが、他のチームのプレゼンテーションを批評し合った。他のチームの長所や欠点を評価させることで、自覚を促し、自らのプレゼンテーション技術を高めてもらおうというのが狙いだ。

 1、2年のクラスでは「発表の時間が短すぎた」「声が小さかった」と互いに欠点を指摘する意見が出たが、「一発ギャグが飛び出し、ひきつけられた」「分かりやすい説明だった」などと褒める声も聞かれた。

 生徒たちに批評させた後、中村泰教諭(体育)は、「アクションを交えてアピールする方法は印象に残り効果的だった」などと評価。しかし、発表者同士で笑っているチームもあったことから、「それでは何を訴えたいかが分からない。持ち時間の2分をもっと効果的に使いましょう」などと指導した。

 白川美希(数学)は、「いくらいい商品をつくっても、発表が下手だと商品価値が(消費者に)伝わらない」とプレゼンテーションの役割を改めて強調した。

 2度目のプレゼントあって各チームともレベルアップ。2年を指導した川本秀樹教諭(社会)は「我々が指導していないのに、生徒たちは自発的に道具やパフォーマンスを効果的に使った。他人に伝達する喜びが体験できたようだ。パソコン世代のいまの生徒たちは、視聴覚に訴える手法を上手に活用している」と話していた。



I学校オリジナルCM制作 初歩のマーケティング論も

 ベンチャー教室を開いている初芝中学は、生徒達が学園ごとに学校をPRするCM制作や、初芝中学のある堺市の名物商品の企画開発に挑戦することになり、今月初めに売り込み先yあCMの制作目的などについて、取り決めた。

 1年に課されたテーマは、初芝中学のオリジナルCMやテーマソング、ダンスの制作などで、依頼者(クライアント)は学校側という設定。

 「ターゲットをだれにするか」について、生徒たちからは「新入生」「進学塾」「地域の住民」などの意見が出た。

 「どんな効果を狙うのか」という中村泰教諭の質問には、「学校のイメージアップをはかるため」や「新入生を多く獲得するため」といった回答が寄せられ、初歩的な“マーケティング論”を学んだ。

 生徒たちはグループに分かれ、今後の制作に向けた方針を発表したが「楽しくムードが盛り上がるようなダンスを考える」や「他の生徒たちにアンケートをとって、傾向を探る」などアイデアを述べ合った。

 ベンチャー教育を指導する教員からは「生徒の独創性を引き出すには、テーマを与えただけで自由考えさせたほうがいいのか、あるいはある程度の方向性を示唆した方が生徒たちの発想が豊かになるのだろうか」などの声が上がっていた。