概 要
西別院小学校では、農業体験を軸に地域の方々の支援を受けて児童のキャリア教育に力を入れてきました。そんな中、地域で仕事を創っていける起業家的資質の育成を行うことで、起業も視野に入れた多様な職業観を培いたいと「西別院町子ども心の教育推進事業」の一環として起業家教育を開始しました。平成26年2月の導入ワークショップから平成27年の基礎実践を経て、平成28年度には4~6年生に中心に重要な学習の柱として取り組み、平成29年度は近隣の中学生と合同授業も実施しました。しかし、商品の流通・価格設定・収支計画等の指導や計画的な生産活動・商品開発についての議論の不足などで児童の理解やスキル習得の不十分さなどの課題が残りました。今年度は小規模校で同様の取り組みを行っている京都市立静原小学校とインターネットを使って交流し互いに学び合い、また、児童が卒業後進学する中学校でも、小学校で育成した起業家的行動能力が継続に育まれるように、起業家の講演を一緒に聞いたり、また地域活性化についてのワークショップを合同で実施しました。
- 対象学年
- 1年~6年生 [17人]
- 実施時間
- 総合的な学習の時間+課外活動
+他の教科等と組み合わせ
約60時間
[学校プロフィール]
- ■学級数
- 6
- ■児童・生徒数
- 17
- ■教職員数
- 13
ねらい
起業体験活動を通して、リーダーシップ、協調性、コミュニケーション能力、情報収集・分析能力、表現力を向上させるとともに、故郷「西別院」が持っている可能性や資源についてより深く理解し、さらによくするための具体的な方法や仕事等について考え、実践を
通じて、どのような職業についても必要となる起業家的行動能力を培うこと。また、このような体験がきっかけとなり、将来、進学して都会にでたとしても、地元に帰ってきて起業し、地域の活性化に貢献するリーダー人材を育成することを目的としました。
協力・連携団体
本授業は、西別院町子ども心の教育推進委員会(西別院町自治会・西別院町青少 年育成連絡協議会・西別院町子ども会育成連絡協議会・西別院小学校 PTA)と西別院町犬甘野営農組合の協力を得て
実施しました。なお、授業のカリキュラム開発や授業での指導は特定非営利活動法人アントレプレーシップ開発センターが行いました。
プログラム
授業では、模擬会社「Nissiカンパニー」を設立し、地域の資源を見直し、それらを活用した商品アイデアを出し、ターゲット顧客を検討したうえで商品を決定し、広報や販売活動を行いました。地元の方の協力を得て栽培した農作物や手作り商品を西別院フェスティバルや犬甘野営農組合「季楽」、12月のトレードフェア出展・販売しました。 活動内容についてはネット教材「Youth Enterprise」にて発信しました。また、インターネットを活用し、同様の取り組みを行う京都市立静原小学校の児童と交流し、互いに学びあいました。外部講師の方の講演では、自然の良さを活かして物作りしていくうえで、どのような工夫をすれば消費者の方にとって魅力あるものになるか、商品の見せ方などを学びました。 別院中学校との合同のワークショップでは、自分が生まれ育った地域が持っている可能性や資源について再確認するとともに、地域が賑わいを保ち、いつまでも元気な町であるためには何が必要かを考えました。そして、小・中学生なりに地域に貢献できることを考え、そのアイデアをまとめて発表しました。
【活動計画を立てよう!】
- 1 西別院の魅力を発信するために何ができるか話し合う。
- 2 西別院の魅力を伝える商品を考えよう!
- 3 商品開発について学ぼう!
- 4 スケジュール作りと役割分担をしよう!
【生産と広報活動】
- 5 炭やお米の生産で気を付けること
- 6 京都市立静原小学校と交流しよう!【ネット会議】
【学習発表会にて実践販売!】
- 7 西別院フェスティバルで販売!
- 8 犬甘野営農組合「季楽」で販売体験!
- 9 トレードフェアで出展・発表!
【振り返りとまとめ】
- 10 トレードフェアの振返りとまとめ
- 11 自由参観日にNissiカンパニーの取組みの報告
- 12 別院中学校と合同ワークショップ
- 全校で田植えをしました
- 株式会社ヘルプ 代表取締役 宗接元信 氏
- 藍と竹炭で色をつけました
- 脱穀をしました
- 株式会社山田製油 代表取締役 山田康一 氏
- トレードフェアで販売