概 要
修学院中学校では、特定非営利活動法人アントレプレナーシップ開発センターの協力を得て、2002年から起業家教育を導入し、数年後に全学年の取組となりました。今では、1年生では地域をよりよくするための提案を行い、2年生では人に喜んでもらえる商品開発、3年生では地域の商店街と連携して、生徒が手作りした商品や店舗の人と共同開発した菓子販売を行ったりして、売上収益をフィリピンのNGOに寄付するなどの活動を長年行ってきており、地域の人達にとって、アントレの活動が身近なものになっています。
今年は、既存のプログラムを見直すにあたり、改めて起業家教育の意義や導入目的などを再確認する意味で教員の研修会を開催し、既存プログラムをより良いものにするための意見交換を行ったうえで、2学期の授業に反映させました。授業では、商店街の運営や魅力ある店舗づくりなどに詳しい外部講師から話を聞いて、自分たちの提案の参考にしました。
- 対象学年
- 1年[193人]、2年[217人]
計410人 - 実施時間
- 総合:各学年 約20時間+課外活動約5時間
[学校プロフィール]
- ■学級数
- 22
- ■児童・生徒数
- 630
- ■教職員数
- 38
ねらい
修学院中学校では、社会の問題解決に主体的に行動できる起業家的行動能力のある人材育成を地域と連携して行うことを目的に、起業家教育を導入してきました。しかし、「総合的な学習の時間」の減少などから、既存の活動内容を見直す必要性も生まれてきたことから、今年から3年生で実施していた商店街と連携した商品制作・販売活動と2年生で行っていた商品開発活動を組み合わせ、2年生で商店
街での商品販売を実施する方向でカリキュラムの改変を進めてきました。そんななか、起業家教育について改めてその意義や実践方法などを考え、よりよい授業づくりを教員が行えるように、アントレプレナーシップ開発センターの協力を得て、教員研修を行い、1年と2年の授業に専門講師に来ていただきました。
協力・連携団体
商店街での販売活動(一乗寺バザー)は一乗寺商店街が毎年協力されています。教員研修・講師派遣の調整は特定非営利活動法人アン
トレプレナーシップ開発センターが実施しました。
プログラム
1年生では様々な商店街をチームで調査比較し、専門講師の話を聞くなどして、地域における商店街の役割などについて考えたうえで、地域が活性化するために商店街や産業がどうあればよいのか提案をまとめて発表しました。また、2年生では、商店街の役割について専門講師から学んだあと、学校の近くにある一乗寺商店街を調査し、自分達も、その賑わいに貢献するためにどのようなことができるか考え、お客さんに喜んでもらえる商品アイデアを出して制作し、それを商店街で販売する活動を行いました。売上収益はフィリピンのNGOに寄付しました。
- 四条大宮商店街 理事長・京都商店連盟
常任理事 石田哲雄 氏 - 一乗寺商店街にある「恵文社」店長
堀部篤史 氏( 現「誠光社 社長」) - 一乗寺商店街で出展・販売
【1年生】
- 1 商店街の調査活動とまとめ
- 2 地域づくりと商店街の関係 (外部講師)
- 3 修学院地域の産業について考える
- 4 地域調査と分析
- 5 よりよい地域にするための提案
- 6 これまでの学習をまとめてレポート作成
- 7 学級内プレゼンテーション
- 8 総合学習の研究会で取組内容を発表
【2年生】
- 1 地域を活性化するってどういうこと(外部講師)
- 2 一乗寺商店街での販売商品の希望調査
- 3 商品を開発する前に:ターゲット顧客とニーズ把握
- 4 販売協力店への訪問
- 5 商品の宣伝準備
- 6 商品販売の売上計画等
- 7 商品製作
- 8 商品の包装・デコレーション
- 9 販売準備
- 10 一乗寺商店街での販売商品の希望調査
- 11 販売活動の振返りと礼状作成
- 12 活動の成果とまとめの報告会
- 13 総合学習の研究会で取組内容を発表